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東洋医学思想の根底は、人を宇宙生命の一部と見、宇宙生命との調和によってより良い生命内部のバランスを保ち、生存を全うすることができるという点にあります。 小字宙である人間は、宇宙にある陰、陽二気の交わりから生まれるものと考えるもので、「気」は天地に充満し、同時に人間の内部にも満ち満ちており、今日でいうエネルギーに相当するものです。
「気」が体内で形を成したものを「血」といい、人間の生命維持のために色いろな代謝作用を営む血液を含めた体液全般を指します。
気血が体内をくまなく循環するルートを′「経路」と呼び、主なるものだけでも12あり内臓を中心に四肢の末端まで通じ、機能的に連絡しあっているものと考えられており、西洋医学的にいえば神経系・分泌系・循環系を総合したものが経路であるといえます。
経路の要所を「ツボ」といいます。ツボは脊柱両側をはじめ人体にくまなく散在しており、古典では365個があるとされていましたが、現在では更に多数の新穴が発表されています。
陰陽二気のうち「陽」は熱症、すなわち急性症状で「陰」は冷症、すなわち慢性症状であります。この二気の交流から五行(木・火・土・金・水)が生じ、これが体内に入って五臓すなわち、肝(木)、心(火)、脾(土)、肺(金)、腎(水)となり、また六腑、すなわち胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三篤となります。
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